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リハビリ情報局

脳卒中後の嚥下障害を改善するリハビリ方法

2018.11.30

脳卒中後に発症した嚥下障害と聞くとご飯などが食べれなくなってしまい、お腹に穴をあけてチューブを入れ(胃瘻)、そこからしか栄養が取れなくなってしまう。など、マイナスなイメージを持たれる事が多いのですが、決してそんな事ばかりではありません。適切なリハビリを行う事で嚥下機能が改善する事は可能です。

 

こんな方にオススメの記事です

・摂食・嚥下障害のことを知りたい方
・自宅でもできるリハビリ方法を知りたい方

 

摂食・嚥下障害とは

そもそも『嚥下』とは、食べ物を飲み込む事を意味します。しかし、人が食物を摂取するという一連の流れは決して飲み込む事だけが重要な訳ではありません。
「食べ物を認識し口腔内に入れ、食物を噛んで飲み込む」この一連の動作のいずれかもしくは全体に問題が生じてしまう事を『摂食・嚥下障害』と呼びます。

 

人はどのように食べ物を飲み込むのか

では、人はどのように食物を摂取しているのでしょうか?まずは、お腹がすくと何か食べたくなります。その際にテレビのリモコンを食べてしまう事は通常ありませんね。人はまず、お腹が空くと目の前にある物を目・耳・鼻などの五感を使用し『 食べ物』と認識します。そこから食物の摂取が始まります。

 

<食物摂取の流れ>

①食物を認識し、どのくらいを口の中に入れるかなど判断を行います。

 

②そこから、口を開き実際に食物を口の中に入れます。口の中入った食物は、口腔内で舌や上あご、歯を使用しながら粉砕され、飲み込 みやすい大きさにまとめられます。

 

③まとめられた食物は、舌を上顎に押し付ける事で生じる圧で喉へ送り込まれます。

 

④喉へ送り込まれた食物が誤って鼻や肺へいかないように以下の動作が行われます。

 ・軟口蓋が上に上がり鼻へ食物がいかないように閉鎖する(表③参照)

 ・軟口蓋が下がり、肺への道 気管を一瞬閉鎖する(表⑤参照)

 

⑤食物が食道へいき、食道の運動(蠕動運動)により、胃まで運ばれる。

このような過程で人は食物を摂取しています。簡単に説明しましたが、これらの動きは様々な神経・筋が協調しあう事で行われます。

 

摂食・嚥下運動
出典:藤島一郎:脳卒中の摂食・嚥下障害,第2版,医歯薬出版,東京.2005;P19~29

 

 

 

嚥下障害と栄養

摂食・嚥下機能の過程は、大変複雑です。これらをリハビリで回復させる為には、まずは土台作りが必要となります。

 

栄養無くしてリハビリなし

リハビリを行う上で、最も必要となるのが『栄養』です。栄養とリハビリの関係は至ってシンプルで「食べなければ力がでない」それだけです。

 

人は生きるために食物を摂取します。摂取した食物は、たんぱく質、糖質、脂質、ビタミン、ミネラルなど大切な栄養素となり、血液や骨、筋肉、そして活動するためのエネルギーとなってくれます。


脳卒中後の摂食・嚥下障害では、神経が侵されてしまった事による問題もありますが、体を動かさなくなった事で筋力が衰えてしまい、飲み込みが上手くいかなくなってしまう事も大きな問題となります。

 

そもそも食事が上手く食べれなくなっている方に強い筋力トレーニングを行えば、体中のエネルギーを消費してしまい、さらに病状を悪化させてしまう危険も考えられます。その為、リハビリの第一条件として、栄養がしっかりと取れているという事はとても大切な事になります。

 

胃瘻(いろう)は食べるための手段

胃瘻と聞くと悪い印象が染みついている方もいらっしゃるのではないでしょうか?実際に『チューブに繋がれたまま』『もう二度と口から食べる事ができない』という悪いイメージを持ち続けている方のお話しを良く耳にします。こういった誤ったイメージが根強く残っている事は残念でなりません。

 

十分な栄養を取らないと本来の力が発揮できないのは容易に想像がつくかと思います。では、食べ物が上手く食べれない、食べ物を摂取する事がさらなるリスクを起こしかねない、摂食・嚥下障害の方はどうでしょうか?

 

障害の影響で食べられずに十分な栄養方法の確立がされていない場合は、そこから筋力の低下・体力の低下を引き起こし、結果として、さらなる摂食・嚥下障害の悪化、最悪の場合、誤嚥性肺炎をおこすという負のスパイラルに陥りやすくなります。

 

摂食・嚥下障害と誤嚥性肺炎の関係

 

この負のスパイラルを脱する為にも、まずは早期に栄養管理方法を確立する事が最優先となります。つまり、胃瘻をするという事は、『食べられない最終手段』ではなく『食べられるための手段』となります。
胃瘻は一度作成して、閉じることも可能です。もし、主治医から胃瘻の話しが出ている方がいらっしゃれば、食べれなくなるのかと肩を落とさずにこれからの事も視野にいれて考えてみて下さい。

胃瘻について:http://www.peg.or.jp/eiyou/peg/about.html

 

嚥下障害を改善するリハビリ

リハビリを行う前段階をご理解頂けましたでしょうか?次は具体的なリハビリ方法をご紹介致します。

 

口周りを動かすだけで嚥下は改善するのか

良く巷で出回っている嚥下障害のリハビリでは、『あいうべ体操』『舌の体操』などがみられますが、脳卒中後の摂食・嚥下障害の方にこれだけ行っても確かな改善は期待できません。悲しい事ですが、摂食・嚥下障害に関するリハビリはエビデンス(根拠)が低いものが多いのが現実です。

 

しかし、エビデンスが低いからと言って諦める必要はありません。本当に必要なリハビリを行う事で機能改善は十分に期待できます

 

嚥下障害が改善するリハビリ

具体的なリハビリ方法としては以下のようなものがあります。

 

<基本的なリハビリ>

●間接訓練(食物を使用しない訓練)

 ・開口障害に対する訓練⇒開口ー閉口訓練

 ・頬訓練

 ・舌訓練

  -舌背挙上訓練

  -舌尖挙上訓練

  -軟口蓋挙上訓練

 ・咀嚼訓練

 ・送り込み訓練 など

 

直接訓練(実際の食物を使用する訓練)

実際の食物を使用する為、主治医もしくは担当の言語聴覚士の指示のもと行います。上記のリハビリは良く目にするものが多いのではないでしょうか。

 

これらの訓練は一般的に広く使用されており、自主トレーニングで行えるものも多くあります。しかし、これだけでは多くの嚥下障害が飛躍的に改善する事はあまりありません。

 

現在は、姿勢の改善や肩周り、足や腕の筋力upが嚥下機能改善に繋がるのではないかと注目されています。少し極端ですが、起立ー立ち上がりの運動で嚥下機能が改善するという研究もされています。

 

やみくもなリハビリは状態を悪い方向へと導きかねません。必要なのは、適切に体全体を評価し、問題点と残存している機能の抽出、そこから体全体をみてリハビリを行う事が機能改善への確かな道となります。

 

退院後の介護保険のリハビリ・自費のリハビリ費用の目安

 

自宅でもできるリハビリ

専門家によるリハビリも大切ですが、摂食・嚥下障害を改善させるには、日々の練習も大切となります。

※必ず医師や専門家に相談した上で行なってください。

 

【嚥下体操】

一般的な自主トレーニング方法としては、

 ・深呼吸

 ・肩・首周りのストレッチ

 ・開口ー閉口運動

 ・頬の膨らましーすぼめ運動

 ・舌の運動

 などがあります。下記にイラストで分かりやすく解説されているサイトがありますのでご参照ください。

 

嚥下体操:http://www.emec.co.jp/swallow/swallow_exercise01.html

 

【舌の筋力トレーニング】

摂食・嚥下障害のリハビリを行う上で、食物を口腔内でまとめて、喉に送り込む舌の機能は大変重要なものとなります。舌の筋力増加はなかなか自主トレーニングで向上させる事は難しいものでしたが、現在は、『ペコぱんだ』というアイテムを使用する事で比較的簡単に舌の筋力トレーニングを行う事が可能です。

ペコぱんだ
出典元:PDNショップ

ペコぱんだ:http://orarize.com/pekopanda/

 

こちらのアイテムは、舌圧測定器という機械で舌の筋力を測定しご自身にあった強度を選択できます。

 

舌圧を測定せずとも、ご自身で硬さをみて購入して頂いてもかまいませんが、より、ご自身に適したものでトレーニングを行いたい方は、当施設に機材が一式ございます。また、言語聴覚士も在籍しておりますので、お気軽にご相談下さい。

 

【口腔ケア】

最後にご紹介したいのは、『口腔ケア』になります。口腔ケア?と思われるかもしれませんが、摂食・嚥下障害のリハビリを行う上でも重要な取り組みとなります。

 

冒頭で『嚥下』とは、食べ物を飲み込む事とお伝えしましたが、食べ物を飲み込むのに「さぁ!飲むぞ!」と意識する人はいませんよね。それは、飲み込みは本来意識せずとも反射でおこなわれるからです。

この反射機能をコントロールしてくれるのが、ドパミンとサブスタンスPという神経伝達物質になります。本来、口腔ケアの作用は口腔内の菌の減量です。しかし、それだけには留まらず、口腔ケアの『刺激』がサブスタンスPの放出を促進し、嚥下反射の低下を改善することも報告されています。

また、麻痺などの影響によって舌の動きが悪くなった方は、電動歯ブラシで舌をマッサージする事も効果的です。

 

言語聴覚士からの一言

いかがだったでしょうか?少しでも脳梗塞後の摂食・嚥下障害とそのリハビリについて理解を深めて頂けましたら幸いです。

 

リハビリというものは本当に奥が深く、ここではほんの一部しかご紹介する事ができませんでしたが、胃瘻を作ったから、検査をしてもらい食べられないと言われたから。と諦めるのではなく、別の方法は無いか模索する事も一つの道かと思います。

 

当施設では、摂食・嚥下障害やリハビリについてのご相談もお受付しておりますので、もし、ご興味のある方はお気軽にご連絡下さい。

 

 

「参考文献」

才藤栄一:摂食・嚥下リハビリテーション,第2版,医歯薬出版,東京.2007

藤島一郎:脳卒中の摂食・嚥下障害,第2版,医歯薬出版,東京.2005;P19~29

若林秀隆:リハビリテーション栄養,第1版,医歯薬出版,東京.2013

藤谷順子:嚥下障害,栄養ー評価と治療,27:135-137

片桐伯真:摂食・嚥下障害における経腸栄養と経静脈栄養:全般,MB Med Reha,109:131-137.2009

一丸智美:摂食・嚥下障害患者の栄養管理,MB Med Reha,116:66-73.2010

菊谷武 他 :機能的口腔ケアが要介護高齢者の舌機能に与える効果,老年歯学,19(4):301-306,2005

武内和弘 他 :嚥下障害または構音障害を有する患者における最大舌圧測定の有用性ー新たに開発した舌圧測定器を用いてー,日摂食嚥下リハ会誌,16(2):165-173,2012

小野高裕 他 :咀嚼・嚥下における舌圧測定法とその臨床応用,日摂食嚥下リハ会誌,10(3):207-219,2006

岸本裕充:口腔の知識,medicina,44(5):1018-1021,2007

監修

原美悠紀

日本言語聴覚士協会所属

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